『街男 街女』酒めぐり
そういえば、ここは酒の話もするブログでした(笑)。
「街」と同時に「酒」のアルバムでもある今回のアルバム。各曲ごとに酒をチョイスして遊んでみました。ライヴ前後の参考になれば幸い……あんまり役には立たないか。
築地オーライ 「吉野家の冷酒」
築地といえば吉野家創業店(すごい偏ってる…)*1。まずは皿並(丼ではない)と冷酒で景気付け。チープな味わいがつゆとよく合う。この安っぽさがわからないようじゃ、オトナじゃないね。でも酒は3本まで。あんまり粘るなよ。往来!
なお、築地市場に「夜の酒場」はほとんどないはずなので気をつけよう。
銀ジャケットの街男 「エラドゥーラシルバー」
テキーラは、竜舌蘭の蒸留酒。「シャンパン」と同様、メキシコの特定の地域・原料で作られたものしか「テキーラ」とは名乗れない*2。単にアルコールが強いってだけの酒じゃない。
日本では「オルメカ」がメジャーだけれども、ここでお薦めしたいのはエラドゥーラ。アガベ100%の良質品。しかもリーズナブル*3なのがうれしい。樽詰めにして色の付いた「ゴールド」と、樽詰めしない「シルバー」がある。シルバーは、香りの複雑さは少ないが、原料の竜舌蘭の甘い香りが楽しめる。でもショットで10杯はもったいないな。ゆっくり飲もうよ。
沈黙の薔薇 「フォアローゼズ」
田島の言葉によれば薔薇は一本だけだったはずなんだけど、ここは豪勢に「4本」行きましょう。バーボンの名品フォア・ローゼズ。気品のある香りと滑らかな甘さは、ワルツも似合ってしまう。バーボンの独特のきつい香りが苦手な人にもこれはお薦め。
死の誘惑のブルース 「丸眞正宗」
実は酒のない曲。困ったな。ハードボイルドっぽい曲だから適当なバーボンでもいいがさっき挙げてしまった。では「東京の番外地」*4にちなんで丸眞正宗はどうだろう。23区内に唯一ある蔵元。一度行ってみたいのだけど、残念ながらその機会がない…。
http://www.kitanet.ne.jp/~m-koyama/kaisya.html
赤い街の入り口 「ローデンバッハ」
テスタマッタ(=Crazy)といううってつけのイタリアワインがあるそうなのだが、残念ながら飲んだことがない。
「赤」ということで、赤いビールはいかが? ローデンバッハというベルギービール。赤っぽい色のモルトで造ったビールを、オークの桶で2〜3年熟成させる。桶に住み着いた乳酸菌のおかげで、フルーティな香りと酸味の効いたビールができあがる。味の深さに気が付けば「くれいぢぃ」(病み付き)になること請け合い。
創業者の一族には『死都ブルージュ』というそれっぽい名前の小説を書いたローデンバッハがいる。
ひとりぼっちのアイツ 「ジンバック」
まさに「酒」の曲。バーボンロック、ウィスキーロックの後でジンバックを頼むというのは、「今晩はトコトン飲むぞ」というサインだろう。ドライなジンとジンジャーエールの炭酸で、最初の酔いをリセットしようという魂胆だ。相手が苦手なら逃げ出した方がいいだろうが、そんな風に冷静な判断力も残っているから、最後まで付き合ってみるのも一興。この曲のモデルは田島自身なんだろうが、自分の中では知り合いの女性が思い浮かぶ。あまりに曲通りの女性なんで。
ジンはシンプルにビフィーターで。ジンジャーエールはオトナらしくウィルキンソンでお願いしたい。
Yen 「ヱビスビール」
これも酒とは関係のない曲。「Ye」からヱビス(Yebisu)が辛うじて思いつく程度。
マイケル・ジャクソンという、米人歌手ではなくイギリス人の酒評論家のおかげで、最近では「ドルトムンダー」というスタイルに分類されることが多い。よく「苦い」といわれるビールだが、ドイツのビール史的観点からいえば、実は苦味は抑え目。ビールが今よりももっと苦かった明治期に開発されたビールが、今でも化石のように残っているというのが、その苦味の理由。
お金は大事だが、別にケチる必要はない。節税発泡酒を飲んで気持ちも小さくなるくらいなら、100円多く払ってヱビスを飲む方が幸せも大きくなる。
それにしても、サッポロブラックを亡きモノにしてまでヱビス黒を出す必要はあったのか?と思っているのは自分だけだろうか。