「沈黙の薔薇」

もちろんこの曲は「官能的」ではあるのだが、それよりも全体に流れる「退廃的」なイメージが気になっていた。

それはいったいどこから来るものだろう?というのがずっと引っかかっていたのだが、この曲は「冗談」を下敷きにしていないだろうかと気づいた。「黙っているの」のあとの下降気味の音階が、例のホールトーンスケールを崩したように聞こえるのと、「悲しいニュース」の歌詞が根拠なんだけど。

出だしのピアノは「スクランブル」を思い出させてくれるし、展開は「哀しいノイズ」のようだ。もちろん、単なる「使いまわし」と言いたいのではなくて、そういうモジュールが1曲の中に密接に絡み合っているんだと思う。

シングルカットの理由

Excite:この曲がシングルになった決め手は?
田島:アルバムの曲の中でも、どっちかっていうと軽い感じの曲なんで、シングルっぽいんじゃないかと思いまして。
http://ent2.excite.co.jp/music/interview/2004/originallove/01.html

なんだかテンションが低い。「Crazy Love」「R&R」「恋の彗星」などのときのように「できた瞬間これだ!と思った」というような曲ではないらしい。
前の「美貌の罠」のときも、どちらかというと消極的な理由でシングルカットしたように覚えている。しかし、そういうときの方が、ファンの間で評判が上々なのはどうしてだろう(笑)。