「沈黙の薔薇」

もちろんこの曲は「官能的」ではあるのだが、それよりも全体に流れる「退廃的」なイメージが気になっていた。

それはいったいどこから来るものだろう?というのがずっと引っかかっていたのだが、この曲は「冗談」を下敷きにしていないだろうかと気づいた。「黙っているの」のあとの下降気味の音階が、例のホールトーンスケールを崩したように聞こえるのと、「悲しいニュース」の歌詞が根拠なんだけど。

出だしのピアノは「スクランブル」を思い出させてくれるし、展開は「哀しいノイズ」のようだ。もちろん、単なる「使いまわし」と言いたいのではなくて、そういうモジュールが1曲の中に密接に絡み合っているんだと思う。