『THE BAND OF 20TH CENTURY:Sony Music Years 1986-1990』(ピチカート・ファイヴ)

あれ?だってこれ、オリジナル・ラヴの新アイテムでしょ?(笑)

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アマゾンでは誰もレビュー書いていないのかぁ。もったない。

ライヴ盤であるディスク2の「イントロダクション」、このスキャットを聴いてゾクゾクしない田島ファンというのは、存在自体が矛盾している。*1「リップ・サーヴィス」の圧倒的な歌にも同様のことが言えるのだが、なんといってもラストの「聖三角形」。これがディスクの形として発売されたことは、もう個人的に今世紀最大の事件だ。
これであと、あのサンバアレンジの「トップ・シークレット」が入っていれば完璧だったのになぁ。*2

このライヴ、とくに後半のラストツアーは、野宮ピチカートとメジャーORIGINAL LOVEが混ざりきれずに存在している*3。両者の原点、なんて奇麗事ではなくて、なんか時代の仇花といった感じかな。やりたいことが別の方向を向いている両者が、ひとつのバンドとしてヴァランスしているギリギリの状態。田島の抑えきれないパワーが、ピチカートの殻を食い破り出てきそうな勢い*4。そういう状況が生み出している音はひとつの魔法だ。だから音の劣悪さなんか気にならない。

普通ならこの音源、そのまま闇に消えていったはずなのだ。今こうして手にしているのは、まさに奇跡。

*1:と断言してしまいたくなるくらいのものなのだ。不審に思ったあなたも聴けば納得するだろう。

*2:なんで知ってるんでしょうね?

*3:オープニングだった「夜をぶっとばせ」は完全に1stのアレンジ。

*4:もちろんORIGINAL LOVE側からの見解だが。