続のだめカンタービレ
仕事から帰ると、床に平積みになっていた「のだめ」の山が高くなっていた。問い詰めると「7巻から先も買っちゃった」。ぎゃぼー!*1
- 作者: 二ノ宮知子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/01/13
- メディア: コミック
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たとえばハリセンという人物。物語の端緒を作っただけの瑣末な悪役かと思っていたら、7巻目にしてストーリーの重要な人物として使っている*3。まさに「忘れたころに変奏されたフレーズが戻ってくる」という音楽的な緻密さそのままだ。
これをすべて計算どおりに張り巡らせているのだとすれば、相当に頭のいい作者だ。でもそこまで緻密な人だとは思えないし(偏見)、ということは、まさにのだめ並の天然のストーリーテラーなんだろう。
音楽の喩えで言えば、この漫画の面白さは20世紀前半の作品に通じるものがないか。ロマン派の残滓を引きずりつつもおいしいところだけを面白おかしく取るところとか、ところどころ調性が崩壊していたりするそのスリルだとか。
ところで帯の宣伝文句「こんなに笑えるクラシック音楽があったのか!?」というのは、なんか変だ。そもそもクラシック音楽って相当に「(笑)」で充満している音楽だし*4、だからこそ面白いし深く感動できたりもする。この漫画の優れているところは、クラシック音楽を笑えるように書いたことなんかじゃなくて、クラシック音楽の面白さを忠実に漫画化したことにあると思う。