『これがニーチェだ (講談社現代新書)』

次に読む本は、安易に裏表紙の他著紹介から選んだ。上に挙げた本がすべて新書(しかも講談社現代新書)なのは偶然ではない。しかもなぜニーチェなのかといえば、この日記を読んでいる人ならお察しのように、田島貴男の影響。
そんな二重に安易な理由で手に取った『これがニーチェだ (講談社現代新書)』だったが、これがまた曲者だった。ニーチェ自身もそうなのだが、この永井均という著者がそれ以上のモノだった。絶対こんな綺麗に着地するはずないじゃん!とツッコミを入れたくなるような纏め上げ方なのだ。ニーチェの思想を知りたいなどという真っ当な動機でこの本を読まなくて良かったと思う。著者自身が強く薦めていたように、他の入門書(『ニーチェ入門 (ちくま新書)』)を読んで正解だった。

などと書くとヒドイ本のように思えるけれど、これは誉めているつもりなのだ。たぶん教科書的なニーチェの業績はこういうのとは少し違うのだろうけれど、ニーチェが持っている毒だとか思考の熱さというものをリアルに経験できた、気がする。少なくとも田島貴男がどうして『ツァラトゥストラ』に狂ったのか、それは確実に実感できた。
後で知ったのだが(しかも「ほぼ日」で!)、かなりの問題書だったのらしい。
http://www.1101.com/editor/2000-07-26.html