U2 『All That You Can't Leave Behind』

All That You Can't Leave
hiroharuさんのブログでも書いたが、聴く機会をズルズルと逸してしまって今日まで聞いてこなかったアルバム。実は『War』もアルバムとしては聴いてなかったりして…。

Pop』で、エレクトリック趣味とブルース回帰が緩やかに融合し始めたのに満足してしまって、次のアルバムは傑作間違いなし、いちいち聴くまでもないと思ってしまったのが、今まで聴いてこなかった理由。そして実際に聞いてみて、その予感はそのとおりだったと確認できた。

ただ、負け惜しみではなく、6年経った今聴いてよかったと思っている。音楽のしなやかさが、自分のこの6年間でわかるようになったところもあるからだ。真の名盤に「いまさら」という言葉は無縁なのだ。

しかも不思議なのが、生音重視なのに、このデジタルオーディオで聴くのがとても心地よいのだ。『Achtung Baby』よりもシックリと来るのではないか。…いや、単にiPodからのイメージなのかもしれないけれど。


オリジナル・ラヴで喩えれば(そういうサガなのでカンベンしてください)、『POP』を『ビッグクランチ』とすれば、これは『ムーンストーン』といったところか。でも、この「しなやかさ」が田島には欠如してるんだよなぁ。これこそ「大人のロック」だよ。90年代末期は両者を対比して観ていた頃もあったけど、このアルバムが岐路になってしまっている。